コロナ禍のなかの学校、農家、女性農業グループの状況


代表西口です。3月以降、コロナの影響で学校ハーブ園プログラム参加校や農家、女性農業グループの活動にも大きな影響が出ています。

学校

バイヨン中学校の緑あふれる校庭

カンボジア全土の学校が、11月まで休校になる予定です。6月現在、まだ学校は再開していません。地方の公立学校でもオンライン授業が導入され始めているようですが、インターネット環境が悪かったり、そもそもコンピューターやスマホがない家庭も多く、スムーズな実施には至っていない地域が多いようです。学校によると、先生が家庭訪問する形で授業をしているところもあるそうです。3月から11月までとなると半年以上授業が受けられないことになります。先生方のこういった努力で、多くの子どもたちが勉強を続けられればと願っています。

学校ハーブ園についても、現在は一時休止です。幸いカンボジアは雨期に入り、水やりの心配はこれからなくなりそうです。これまでは、学校に寄宿している先生などが交代で水やりをしてくれていたようです。ほとんどの学校ではハーブの乾燥なども今はしていませんが、学校ハーブ園プログラム参加校のなかで一番古いシェムリアップのバイヨン中学校では、先生方が代理で一部ハーブの乾燥作業をしてくれています。在庫がなくなりそうな原料があって、打診をしたら先生方が快く引き受けて下さいました。シェムリアップはアンコールワットのある町ですから、デメテルハーブティーの工房がある首都プノンペンへの宅配業者もあり、品物のやり取りは今のコロナの状況の中でも問題なくできてありがたいです。ハーブ買取り代金の支払いも、カンボジアにはいろんな電子送金システムがあるので、苦労なくできます。

農家

ネイさんと奥さん

クラティエ州でハーブの栽培をしてくれているネイさんファミリーは、ハーブの売り上げだけが一家の現金収入となっています。コロナの影響で観光客やビジネス往来客が激減し、ギフト製品の売り上げは激減してしまったので、日常使いのハーブティーに会社では力を入れています。ネイさんファミリーへのハーブの発注もこの影響で減ってしまっているので、なんとか彼らが困窮しないだけの売り上げを立てるべく、私たちも奮闘しています。ネイさんも困った状況にあるはずなのですが、いつも明るい声で連絡をくれて、販売の状況にも理解を示してくれます。それに甘えていてはいけないので、私ももっと頭を使っていきます!

女性農業グループ

コロナで規模縮小中のハーブ生産で支払いを受け取った女性の一人(写真提供:JVCカンボジア)

女性農業グループがあるシェムリアップのドンソック村では、コロナの影響で3人以上が集まる活動が村で禁止されています。そのため、規模を縮小してハーブの生産をしてくれています。この村については、女性グループとの間をコーディネートしてくれているJVCカンボジアのスタッフさんのおかげで、ハーブのやり取り、支払いの受け渡しなどが実現しています。

この3か月で実感したことは、連携のありがたさと、カンボジアの人たちのしなやかさです。ここで挙げた例だけでなく、様々な団体や個人の方々との連携・協力によって、移動が厳しく制限されていた中でもいくつかの大切なタスクをこなすことができました。厳しい状況は皆同じですが、学校ハーブ園関係者や農家さん、女性グループのメンバーなどに余計な不安を与えないようにしなくてはと、当初私はとても気を使いました。ですが、実際に彼らと話をすると、難しい状況の中でも少しでも明るく笑い、悲観的にならず、嵐の中をじっとかがんでやり過ごす姿勢で、逆に私や会社のことを気にかけてくれる言葉をたくさんもらいました。

日本の皆さまも、大変な時期を過ごしておられることと思います。一日も早くこの災禍が収束し、また自由に皆さまと交流できる日が来ることを願いつつ、そして、皆さまのご健康をカンボジアより祈っています。

————-
デメテルハーブティーの学校ハーブ園プログラムとは

1. 環境教育(学校の美化緑化)
2. 伝統文化の継承(カンボジア伝統医療)
3. 学校運営費の支援(育てたハーブからの収益)

の3つのアプローチで、カンボジアの学校教育環境を向上するために行う社会貢献活動です。
. ————–
.

日本のオンラインストアでも販売中です。Campanioカンボジアハーブストアをチェックください。